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腰部脊柱管狭窄症って何?治療法は?(保存的治療編)

こんにちは。院長の栗本です。

今回は自己紹介の続きではなく疾患の説明をしてみたいと思います。

まず、「整形外科医」は頭部以外ほぼ全ての骨や関節、靭帯、神経に対応しますが、骨は大人で約200個、関節は約70個あります。

全ての領域に関して最新の知見も知ったうえで治療方針の提案が出来る事が理想ですが、範囲が非常に広いため

「整形外科の中で何をマニアックに突き詰めるのか(専門分野)」を選択する時期が来ます。

私の場合救命救急の中で「整形外科面白そう(今から考えると不謹慎)」という発想で整形外科を始めていましたが

救命に直結する整形外科とは?から整形外科の中で脊椎を突き詰めることにしました。

➡実際はそんなに格好の良いものではなく、当時仲が良かった上司に”選択肢を絞られた(良い意味で)”というのが正しい表現かもしれません。

 

さて、背骨の疾患(病気)には椎間板ヘルニア・圧迫骨折・脊柱管狭窄症・腫瘍等沢山のものが含まれますが

一番メジャーなものとしては「脊柱管狭窄症」が挙げられると思います。

今回は脊柱管狭窄症について書いてみたいと思います。

 

①脊柱管狭窄症とは?症状は?

背骨の中にある神経の通り道である「脊柱管」が狭くなる病気です。背骨は、椎骨と呼ばれる骨が積み重なってできており、その間にはクッションの役割をする椎間板が存在します。

脊柱管は、椎骨と椎間板に囲まれた脊髄神経の通り道ですが、脊柱管の狭くなる部位や程度により、筋力低下・痛み・痺れ・跛行・排尿排便コントロール障害等様々な症状が出てきます。

②脊柱管狭窄症の原因は?

多くは加齢による椎間板の変性や骨の変形、靱帯の緩みなどです。

また、生まれつき脊柱管が狭い場合もあります。

腰部脊柱管狭窄症の場合は50歳代以降から徐々に増加し、70歳台では10%程度の人々が軽度の症状を抱える一般的な疾患とされています。

③(今回のメインテーマ)治療法は?

先ず、手術するかしないかの選択を迫られますが

立位保持(電車内で立っている・台所仕事をする)が辛く、すぐに座りたくなる

歩行で腰痛や下肢が重たくなり、すぐにしゃがんだり座ったりしたくなる

筋力低下(足首が動かしづらい等)が出ている

夜間頻尿・便が我慢できない

ような場合には手術療法が望ましくなります。

詳述は避けますが、腰部脊柱管狭窄症はその発生部位によって馬尾型、神経根型、混合型に分類されますが、馬尾型は手術の適応になることが多いとされています。

➡手術療法に関しては後日説明させていただきます。

 

手術しない場合は保存的治療が選択されます。

どうしても痛みが強い場合にはブロック注射(仙骨硬膜外・神経根)を行う事もありますが、治療の主体は薬物治療とリハビリテーションです。

以下に当院で行うリハビリテーションの具体的な内容に関して記載したいと思います

エクササイズ: リハビリテーションにおけるエクササイズは、わかりやすく言うと(書くと)筋力トレーニングです。背中や臀部・お腹の筋力を取り戻すことで姿勢が改善され、脊柱管周囲の圧力が減少します。

ストレッチング:特に股関節周囲の柔軟性を向上させ、筋緊張を和らげるためにストレッチングが行われます。臀部や大腿部の筋肉を柔らかくすることが重要です。

疼痛管理: 理学療法士による疼痛部位へのアプローチ(施術・マッサージ)により痛みの軽減を目指します。

日常生活のアドバイス: 日常生活での動作や活動の改善に関するアドバイスもしています。重いものを持ち上げる際の姿勢や、長時間座っている場合に望ましい姿勢(座り方)等、患者様一人一人に応じたアドバイスをしています。

 

腰部脊柱管狭窄症のリハビリテーション治療は、症状の軽減と機能の改善において非常に重要です。

リハビリテーションを継続することで、生活の質向上が目指せます。

腰の痛みや下肢の痺れでお困りの患者様がいらっしゃれば、是非当院までご相談ください。

 

 

とは言え、保存的治療で対応しきれない患者様も中にはいらっしゃいます。

➡次回は「保存的治療で限界が来た場合(つまり手術療法)」について書いてみたいと思います。

前の職場に在籍していた頃に作った手術動画も載せつつ説明できれば良いかと思っています。

皆様良い週末をお過ごしください(^^♪

 

 

 

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